数の子とは、ニシンという魚の卵です。塩漬けにしたり乾燥させたりして食べられています。ひとつひとつの卵は細かいですが、無数の卵が相互にくっついて長さ10センチ、幅2センチほどの細長い塊を形成しています。そのため歯ごたえが独特で、食通で知られる芸術家の北大路魯山人にも、「数の子は音を食うもの」と表現されました。ニシンはもともとはカドと呼ばれていたため、その卵は「かどのこ」と呼ばれていました。そこから数の多さも相まって「数の子」に転じたと言われています。
数の子は、その卵の数の多さから子沢山や子孫繁栄を願う縁起物としておせち料理に入れられています。またニシンに「二親」という字が当てられ、二親健在に通じるとして縁起が良いとも言われています。
塩抜きを長くし過ぎると苦みが出ることがあるので注意しましょう。ご家庭で数の子を楽しむ際は、製造過程で皮が破れたり端が切れてしまった切れ子を使うと、通常よりも低価格で手に入れることが出来ます。