お年賀とは?お歳暮との違いや選び方・渡し方を解説
お年賀とは、新年のご挨拶に添えて贈る品物を指し、旧年中の感謝と「今年もよろしくお願いします」という思いを伝える日本の伝統的な習慣です。この記事ではお年賀の意味や贈る時期・相手、渡し方のマナーをはじめ、お歳暮や寒中見舞いとの違いもわかりやすく解説。さらに予算の相場や人気の定番ギフト、マナーや注意点まで詳しく紹介します。
お年賀を贈る時期・相手
お年賀を贈る時期・相手
お年賀を贈る時期は「松の内」と呼ばれる期間に限られます。関東では1月7日頃まで、関西では1月15日頃までが一般的な目安です。本来は正月三が日に手渡すのが基本でしたが、近年は松の内までに贈れば失礼にあたらないとされています。元旦は先方の家庭が多忙なため訪問は控え、時期を過ぎた場合は「寒中見舞い」として贈るのが適切です。お年賀を贈る相手は、親や親戚、義実家、ご近所、さらに取引先や上司など日頃からお世話になっている方が中心です。昔は地域全体に配る習慣がありましたが、現代では縁の深い相手に絞られる傾向があります。贈る品は高価である必要はなく「今年もよろしくお願いします」という気持ちを込めることが大切です。
お年賀の渡し方とは?
お年賀は、基本的に訪問時に直接手渡すのがマナーです。事前に相手の都合を確認し、午前中は避けて午後の落ち着いた時間帯に伺うとよいでしょう。品物には紅白蝶結びの水引が描かれたのし紙をかけ、表書きに「御年賀」と記します。贈る際は風呂敷や手提げ袋に包んで持参し、相手に挨拶をしてから両手で渡すのが望ましい作法です。どうしても訪問できない場合は配送も可能ですが、その場合は「ご挨拶」などの表書きにする、または松の内を過ぎた後であれば「寒中御見舞」とするのが適切です。
贈る時期が近いものとの違い
お年賀は、冬に贈られる他のご挨拶と混同されやすい贈答習慣です。特に「お歳暮」や「寒中見舞い」とは時期や意味が似ていますが、それぞれに異なる目的があります。ここでは贈る時期と意味合いの違いを整理します。
お歳暮との違い
お歳暮とお年賀は「贈る時期」と「込められる気持ち」が異なります。 お歳暮は1年間お世話になったことへの御礼を込めて贈られるもので、12月初旬から25日頃までに届けるのが一般的です。近年では百貨店やギフト店の早割や配送需要により、11月下旬から贈られることも増えています。語源は「年の暮れ」に由来し、かつてはお正月に必要な品物を本家や雇い主に届ける行事から始まりました。現在では日頃の感謝を伝えると同時に、ご無沙汰している方との交流を深める意味も込められています。一方のお年賀は、新年の挨拶として1月2日以降に持参します。「旧年中お世話になりました」という気持ちに加え「新しい一年もよろしくお願いします」という未来志向の意味合いを持ちます。両方を贈る必要はありませんが、特にお世話になった方や親しい相手には「年末に感謝を伝え、年始に改めてご挨拶する」という形で両方贈る方もいます。またお歳暮を贈らなかった相手に対しては、年始の訪問時にお年賀として菓子折りなどを持参するのが一般的です。
寒中見舞いとの違い
寒中見舞いは、松の内が明けた1月8日頃(地域によっては15日頃)から立春の2月4日頃までに贈る挨拶です。寒さがもっとも厳しい時期に相手の健康を気遣うことが目的であり「新年を祝う」という意味を持つお年賀とは大きく性質が異なります。 お年賀は松の内までに贈り、旧年中の感謝と「今年もよろしくお願いします」という未来志向の挨拶を込めるものです。しかし寒中見舞いは、祝意ではなく配慮や思いやりを表す点に違いがあります。また喪中の際にはお年賀を控えるのが原則であり、その代わりに寒中見舞いとして贈るのが適切です。年賀状を出しそびれた場合の代替としても用いられるなど、位置付けが異なります。贈り方は手渡しでも配送でも問題なく、挨拶状を添えるとより丁寧です。表書きは「寒中御見舞」とし、水引は付けないか控えめにします。立春を過ぎた場合は「余寒御見舞」として贈るのが一般的です。品物はお菓子や飲料など定番ギフトで十分であり、寒さを和らげる飲み物やスープなど実用性の高い品を選ぶと喜ばれるでしょう。
お年賀に贈るものの選び方のポイント
お年賀は、新年のご挨拶にふさわしい品物を選ぶことが重要です。贈る相手との関係性や訪問先の家族構成を考慮し、喜ばれるものを用意することがマナーに直結します。ここでは予算や具体的な品目、避けたほうがよい品について解説します。
お年賀に贈るものの予算の相場
お年賀の相場はおおよそ1,000〜5,000円程度とされ、関係性によって金額が変わります。 ご近所や親しい知人には1,000〜2,000円ほど、両親や親戚には2,000〜3,000円程度、取引先や上司など目上の方には3,000〜5,000円の品を選ぶのが一般的です。お歳暮と比べると控えめな金額ですが、それは形式的なご挨拶の意味合いが強いためです。またお歳暮も贈っている相手へは負担をかけないよう軽めの品にする配慮が望ましく、気持ちを伝えることを重視して予算を決めると良いでしょう。
お年賀にどのようなものを贈ることが多い?
お年賀としてもっとも多く選ばれるのは食品類です。新年は家族や来客と過ごす機会が多いため、分けやすい和菓子や洋菓子の詰め合わせが定番で、特に日持ちのする焼き菓子や個包装のおせんべいなどが好まれます。紅白や干支をあしらった菓子も新年らしく、縁起物として人気です。2026年の干支である午(うま)は「躍進」「健やかさ」を象徴するとされるため、馬をモチーフにしたお菓子やラベル付きのお酒を選ぶのも良いでしょう。 食品以外では実用的な日用品も選ばれます。特にタオルは「縁を結ぶ」とされ、個人向けには上質なタオルセット、ビジネスシーンでは社名を記したタオルや簡易包装のものが多く用いられます。石鹸や入浴剤など日常で使える消耗品も気軽に贈れるため人気です。また、取引先や職場へのお年賀では大人数で分けられるものが重視されます。個包装のお菓子やコーヒー、紅茶、ジュース詰め合わせなどがその代表例です。さらに、特にお世話になった相手には好みに合わせたカタログギフトを贈る場合もあります。
お年賀に贈らないほうがよいものは?
お年賀にはふさわしくない品物も存在します。 避けるべき代表例として「縁を切る」と連想される刃物があります。包丁やハサミは実用品としては優れていますが、お祝い事の贈答には不適切です。同様に「踏みつける」イメージのある敷物や履物も控えたほうがよいでしょう。また日本茶は弔事で用いられることが多いため、慶事であるお年賀には相応しくありません。日常的に飲まれる嗜好品であっても、縁起面で不安を感じさせる品は避けるのが無難です。さらに、あまりに高額な品もお年賀には向きません。お返し不要の性質を持つお年賀に高級品を贈ると、かえって相手に心理的負担を与える恐れがあります。相場の範囲を意識し、気持ちを込めた適度な品を選ぶことが大切です。食品の場合は賞味期限にも注意が必要です。すぐに食べきれないほどの量や、消費期限が短すぎる品は相手を困らせる可能性があります。家族構成を考慮して、無理なく消費できる分量の品を選びましょう。
お年賀を贈る際のマナー
お年賀は新年最初のご挨拶ですから、失礼のないようマナーを守ることが欠かせません。品物選びだけでなく、渡し方やのしの形式、相手の状況に応じた配慮などいくつかの注意点があります。ここでは代表的なマナーを整理します。
お年賀のお返しは用意するべき?
お年賀は新年のご挨拶として贈られるものであり、基本的にお返しは不要とされています。訪問先で直接渡されることが多いため、その場で感謝の言葉を述べるだけで十分です。例えば「お気遣いありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします」といった言葉を添えるのが一般的です。ただしいただいた品が高額に感じられる場合や特別なご厚意を受けた場合には、軽い品を「御礼」として贈っても問題ありません。その際はできるだけ早めに、遅くとも立春の2月4日頃までに届けるのが望ましいとされています。またビジネスシーンでは、習慣や社内のルールによってお返しを用意することで丁寧な印象を与える場合もあります。相手や状況に合わせて判断し、負担をかけない範囲で対応することが大切です。
喪中でもお年賀を贈ってよい?
お年賀には「新年を慶ぶ」という意味があるため、自分や相手が喪中のときは控えるのが基本です。喪中の期間は祝い事を避けるのが一般的なマナーとされており、代わりに「寒中見舞い」として贈るのが適切です。寒中見舞いは「寒さの厳しい時期に相手の健康を気遣う」意味を持ち、松の内が明けた1月8日頃から2月初旬までに贈ります。のし紙は「寒中御見舞」とし、水引は付けず、白無地の短冊や奉書紙を用います。自分が喪中の場合も同様で、お年賀ではなく寒中見舞いに切り替えることが望ましい対応です。訪問や贈答をする際には事前に相手の状況を確認すると安心であり、こうした配慮が誠意を伝えることにつながります。
のし紙の書き方
お年賀の品物には、のし紙をかけるのが基本です。水引は紅白7本の蝶結びを用い、表書きには「御年賀」または「賀正」と記します。水引の下には贈り主の名前を入れ、個人ならフルネーム、ビジネスでは会社名や部署名を添えると丁寧です。のし紙の掛け方には「外のし」と「内のし」があります。お年賀は直接手渡しするのが一般的なため、包装紙の外に掛ける外のしがよく用いられます。やむを得ず配送する場合には、品物にのしを掛けてから包装紙で覆う内のしにするのが適切です。現在では形式に厳格さを求められる場面は減っていますが、年始の大切なご挨拶として贈る以上、基本的な作法を理解しておくと安心です。
お年賀におすすめのギフト
お年賀の品物を選ぶときは、相手との関係性や渡す場面に合わせることが大切です。 定番は和菓子や洋菓子の詰め合わせで、年始の団らんに皆で分けられる焼き菓子や個包装のおせんべいが人気です。紅白や干支をあしらったお菓子、縁起物とされるバウムクーヘンなども新年らしい贈り物として喜ばれます。親しい方や家族には、好みに合わせてお酒やコーヒー、ちょっと贅沢なお菓子などを選ぶのも良いでしょう。目上の方や取引先には、上質なお菓子や佃煮、紅茶などの嗜好品が適しています。ビジネスの場では職場全体で分けやすい焼き菓子やクッキーの詰め合わせが無難で、誰もが知るブランドを選べば安心です。 食品以外では、実用的なタオルや入浴剤なども人気です。特にタオルは「縁を結ぶ」とされ、新年の贈り物にふさわしいといわれています。さらに特別にお世話になった方にはカタログギフトを贈り、自由に選んでいただくのも一案です。お年賀は金額よりも気持ちが大切です。新しい一年の健やかな暮らしを願い、相手が気兼ねなく受け取れる品を意識して選ぶことが、より心に残る贈り物につながります。
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まとめ
お年賀とは、新年の挨拶として感謝と「今年もよろしくお願いします」という気持ちを込めて贈る品物です。贈る時期は松の内までとされ、渡し方やのし紙の形式にも基本的な作法があります。お歳暮や寒中見舞いと混同されがちですが、それぞれ意味が異なるため違いを理解しておくことが大切です。贈る品は高価でなくても構いません。和菓子や洋菓子、飲料、日用品など、気軽に受け取れる実用的なものが多く選ばれています。新しい一年を心地よく始めるために、お年賀の習慣やマナーを正しく理解し、気持ちのこもった贈り物を選びましょう。
お年賀Q&A